株式会社F-Quest > 【連載】広告系スーツとギークエンジニアの共同戦線/ブランドダイアログ株式会社 - 第1回 壮大なビジネスモデル

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2010年06月30日 17:25

広告系スーツとギークエンジニアの共同戦線/ブランドダイアログ株式会社
第1回 壮大なビジネスモデル * * * *

by かさぎ

Tags: ユニークベンチャー発見! グリッド・コンピューティング

ベンチャー・中小企業は星の数ほどありますが、最初の段階から本当に独自のビジネスモデルやアイディアを持ってつくられた会社は、そう多くはないのではないでしょうか。

同時に、成功するかどうかが技術に立脚している会社も、実は少ないような気がします。

ブランドダイアログ株式会社さんは、そのどちらも満たしている、珍しいベンチャー企業です。

パンフレットから、事業の内容がわかる文言を抜粋。

 

「無料グループウェア”GRIDY”」

「無料グループウェアのご利用対価として、
PCのCPU/HDD能力を貸与いただきます。」

「その能力を集めて、仮想スーパーコンピュータを実現。」

 

世の中に出回っているたくさんのPCの、余っているメモリやディスク容量の能力を集めてネットワーク化し(=グリッドコンピューティング技術)、スーパーコ ンピュータ並みの処理能力を持つプラットフォームを作って、それを必要としているところに売る、というのが基本的なビジネスモデル。PCの遊休能力を提供 してもらう対価として、グループウェアを無償で提供する、という仕組みです。

 

えっ、そんなことできるんですか!?と、技術にうとい私は驚いてしまいましたが、「グリッドコンピューティング」というれっきとした技術領域があるんだとか。


いったい、どんな人たちが何のためにやっているビジネスなんだろう?とすっかり興味を持ち、このインタビューをお願いしました。

インタビューに答えてくださったのは、創業メンバーの一員である、常務取締役の柳沢さん。

 ←ブランドダイアログ株式会社 常務取締役マーケティング本部長の柳沢さん

株式会社NTTメディアスコープ(現NTTアド)、株式会社電通テック、株式会社電通など、そうそうたる広告代理店でインターネットマーケティングのプロジェクトを手掛けてこられたとのこと。

 

エンジニア経営者にお話をうかがうことが多いこのインタビューでは、正直、異色の経歴です。
なぜそんな人がこんなに技術的なプロジェクトを!?という疑問に、せまってみました。

まずは、最大の特徴であるビジネスの概要と、ゴールイメージをお聞きしました。

世界規模の、マシンリソース取引市場を作りたい。

パンフレットには、「仮想スーパーコンピュータを作り、それを大規模な演算処理を必要とする企業/研究機関などに有償で提供」とあります。

素朴な疑問ですが、そのようなプラットフォームを必要としている研究機関って、そんなにたくさんあるものなんでしょうか?

 

実は、今は売り先を研究機関に限定していません。集めたマシンリソースを使って我々がSaaSプラットフォームを構築し、サードパーティにAPIを公開するようなことを考えています。当社のプラットフォーム上では、高速な画像処理、計算処理ができたりとか、莫大なデータを置くとかいったことができる。そういったアプリケーションを外部のサードパーティに作ってもらって、われわれはプラットフォームビジネスのほうに入っていこうという考えです。

 

なるほど!google apps とか、Amazon EC2といったクラウドプラットフォームのグリッド版、ということですね。それはすごいです。

どういうゴールを思い描いていらっしゃるんでしょうか?


最終的には、世界規模の、マシンリソースの取引市場を目指しています。CPUやハードディスクといったマシンリソースを、ひとつの取引の通貨のようにしたいと考えているんです。

日 本だけでは、夜になるとみなさん電源を落としてしまって、どうしても必要なリソースを確保できません。世界展開をすれば、時差がありますから24時間安定 してリソースを収集し、提供できるようになります。そのために、このモデルと技術をヨーロッパ、米国で特許出願中です。

 

世界的なマシンリソースの取引市場ですか・・・!
そうなるともう、クラウドプラットフォームどころではない、壮大な計画ですね。
でも、言われてみればそういう時代が来そうな気がします。どれくらいかかりそうですか?



今は、日本でこのビジネスを確立するのに集中していて、現時点では7300社、数万台のコンピュータがネットワークされています。ですが、売れるだけのプラットフォームを構築するには数十万台が必要なので、まずはそれを集めなければなりません。

そのためには、提供中のグループウェア「GRIDY」をよりよいものにしていく必要があります。ちなみに、GRIDYは、当社が構築したグリッドのプラットフォーム上で動いているので、プラットフォームを活用したアプリケーション事例という側面も持っています。

一方、マシンリソースが売れるようになるまでの資金として、GRIDYのアップグレードバージョンを有料で提供しています。そうやってまずは日本で上場を目指し、その上場資金を元に世界展開しよう、という計画です。

 

目指されている、マシンリソースの取引市場はまだ先なんですね。それまでのつなぎとして、グループウェアでのマネタイズをしていて、その延長線上に、上場があると。

いやー、こんなに壮大な話を、日本のベンチャー企業で聞いたことはないかもしれません。同じようなことをやっている会社は、世界中探してもないのでしょうか?


ありません。クラウドサービスという括りで言えば、一般的なクラウドは、「閉ざされたクラウド」で、当社の場合は、「開かれたクラウド」です。

「閉ざされたクラウド」は、結局のところ大手が自前で設備投資してサーバを購入して、閉じたデータセンターの中で仮想化なりグリッド化して貸し出しているだけだけです。そんなの、ハウジングと何が違うのかと。僕らからすれば、あの設備投資で採算が取れるとは思えない。

我々の場合は、世界中から集めた一台一台のコンピュータの遊休能力をネットワークして提供する、という点が圧倒的に違うんです。そういう、開かれたクラウドは、世界中どこでもやってないですね。

 

なるほど・・・、確かに、言われてみれば全然違いますね。本当に面白いビジネスモデルだと思うのですが、実は、どうしても気になっていたことがあります。

なぜ、広告業界出身の方々が、こんなビジネスをはじめたのでしょうか?

この記事の執筆者

代表取締役 かさぎ 34歳

約10年前、新卒で入社した大手企業ではどうしても自分の居場所が見つけられず、「このままでは自分がだめになってしまう...

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