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2009年07月31日 21:37

ベンチャー企業が、大企業の優秀な人を獲得するために必要なこと * * * *

by かさぎ

Tags: HEART of F-Quest

お世話になっている、Architの堀内さんから、こんな記事を紹介していただきました。

「90点以上を出せるような人たち」をいかに大企業からベンチャーに移すか|戦略コンサル辞めて起業している日記:

この命題は、F-Questのミッション 「優秀なエンジニアの、ITベンチャー企業への転職を促進する」 とバッチリ重なっています。 触発されたので記事を書いたら、思った以上に長くなったものの、自分がなんでF-Questをやっているのかダイジェストをまとめられた気がして満足(笑)。

優秀な人は悩んでいるし、ベンチャーに興味を持っている

元記事の、

日本のベンチャーの最大のボトルネックは、 起業数の少なさよりも、資金調達手段の乏しさよりも、 ベンチャー全体に供給される「90点以上」の人材の少なさだと思う。

というくだり、その通りだと思います。

過去に2つの「大企業」に所属しましたが、 どちらも、優秀な人ばかりで構成されている組織なのに、 本当に活躍しているのはそのごく一部でした。 残りの優秀な人たちは、どちらかというとあきらめて、 「サポーター」として淡々と与えられた仕事をこなしている人が多かった気がする。 あるいは、自分の力を活用できる機会を見いだせないために 自分自身を過小評価し、能力と可能性を殺してしまっている もったいない人もよく見かけました。

一方、ベンチャー企業で働いていた時には どんな人でも主役として全力を尽くすことを求められて、 やりたければやりたいだけ仕事ができる。 常にその能力を最大限に発揮することが要求されるために、 みんな自然と成長していた気がします。 でも、人材は常に枯渇状態で、なかなかいい人は入ってこない。 大企業で楽しみを見いだせずに働いている優秀な人がやってくれば、 すごく発展するのになぁ…なんて思ったのも、一度や二度ではありません。

でもそもそも、高い能力を持つ人たちみんなが 大企業での仕事に満足しているかというと、 そうではないと感じています。

私自身は残念ながらポストを争う90点以上の優秀な人材ではなくて、 単純に大企業文化に合わなかった落ちこぼれ社会人ですが、 幸い、大手で活躍している優秀な友人をたくさん持っています。彼らは皆、20代の中ごろまでは 自分が入社した大企業での仕事に違和感を感じ、悩んでいました。 就職したての熱意あふれる時期に、 上司や先輩の「少数のポストを奪い合っている姿」 「そこで負けるとどういう仕事のスタイルになるか」といった現実を見て、 自分はこのままでいいのかな?という疑問や不安を、 抱いたことのない人はいないはずです。 (いるとすれば、それは優秀でない人か、優秀すぎる人のどちらかでしょう…)

実際、以前実施したITエンジニア向けグループインタビューでも、大手SIerに勤める若手エンジニアの7割が、「大きな会社はつまらない、転職するならベンチャーがいい」と答えていました。

それなのに、ベンチャー企業への優秀な人材の移行が進んでいる、という話は皆目聞きません。悩んだり、ベンチャーへの興味がありながらも、優秀な若手がより活躍の余地が大きいベンチャー企業への転職をしなかった/していないのはなぜでしょう?

私は、意識的にしろ無意識的にしろ、

「一歩踏み出すのが怖いから」

これに尽きると思うのです。

そして、この「怖い」という無意識の思いの正体を明らかにして、怖さをなくしていくことで、 優秀な人をベンチャーに移すことが できるんじゃないかと思うのです。

問題は、ベンチャー企業への不信感

「怖い」の正体は、いろいろあると思いますが、 主にこの3つでしょうか。

  • ブランドを失うことの怖さ
  • 生活の安定を失うことの怖さ
  • 未知の世界に飛び込む怖さ

ここでは、ひとつひとつ分析して対応を考えずに、簡単にまとめようと思います。

3つの怖さを一言でいうと、 「ベンチャー企業に対する不信感」 ということになります。

大手企業にはブランドがあって、周囲から認めてもらえる。
(裏返せば、ベンチャー企業では心配されたり下に見られたりする。)

大手企業なら給与も安定しているし失業することはない。
(裏返せば、ベンチャー企業では給与が不安定で失業リスクが高い)

大手企業ならルールもしっかりしていて、クリーンな世界
(裏返せば、ベンチャー企業は何をやらされるかわからない)

ベンチャー企業というだけで、十把一絡げにこうした不信感を持っているために、 いくら大手企業で違和感を感じていても、一歩踏み出すことができないのです。

この不信感は日本に特有なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 思い込みと現実が絡み合った微妙な感覚だと思うのでそのあたりはよくわかりませんが、 少なくとも日本および日本人がベンチャー企業に対してこのような心持でいる以上、 日本のベンチャー企業がいい人材を獲得しようと思ったら、そこを解決していくしか道はありません。

ベンチャー企業が信頼を得るためにすべきこと

では、ベンチャー企業が優秀な人の信頼を得たいと思うとき、 何をしたら良いのでしょうか?

もちろん「結果・実績を出す」という答えが常識だしベストなのでしょう。でも、ベンチャー企業の立場としては、「だから、結果を出すために優秀な人材が必要なんだってば!」という主張になり、「でも実績のない会社なんて信頼できない」という世間様と、堂々めぐりになってしまいます。

私は、そんな「実績はまだないけど、実績を出すために優秀な人材がほしいベンチャー企業」ができる唯一のことは、「自分を相手に伝えること、また伝える努力をすること」ではないかと思うのです。

日本人のイメージの中で、大手企業への信頼感は不当に高すぎ、 ベンチャー企業への信頼感も、不当に低すぎます。 実際は、大手企業だから、ベンチャー企業だからという枠組みに関係なく、 信頼できる会社とできない会社が混在しているのが、現実の姿だと思うのです。 (仕組み上、大手の方が信頼できる会社の率が高いのは事実だと思いますが…)

派手派手しい宣伝をしていなくても、 大企業より給料が高いベンチャーはたくさんあるし、 ベンチャーだからこそルール整備をしっかりしているところも多い。 さらに、仕事のおもしろさや、得られる成長実感は ベンチャーの方が余程大きいでしょう。 ベンチャーで活躍した人材は、大企業からの評価が高まるのも、あまり知られていないことです。 (実際、私はベンチャーの後に転職活動をしたとき、優良な大手企業から軒並み内定をもらって、びっくりした経験があります。)

にも関わらず、 ベンチャー企業が十把一絡げに 就職先として信頼できないイメージを持たれているのならば、 それにあてはまらない真っ当な個々のベンチャー企業は、 しっかり声をあげてそのイメージを否定し、自分たちの正しい姿を伝えるしかありません。

「リスク」という言葉でいいかえてもいいかもしれません。

企業が自社の株を売るためには、売る相手への情報公開が必須です。 それは、株式を購入するにはリスクがあり、 購入者は自分がそのリスクを負えるかどうかを判断するために 正確な情報を必要とするからです。

ベンチャー企業への転職は、株の売買と同じく、リスクの高いことだと認識されています。 にも関わらず、そのリスクをとるかとらないかの判断をするための情報を得る方法が、いまはありません。(転職サイトに掲載されている情報だけで、そのリスクを取れるでしょうか?私たちの調査では、不十分だという意見が、圧倒的でした。) それでは、そのリスクを取ろうとする人が少ないのも当然ではないでしょうか。

だからこそ、ベンチャー企業の側で、信頼を得て相手にリスクをとってもらうために、情報を公開する必要があるのだと思うのです。

F-Questのこころみ

F-Questでは、今のところ企業ブログという形でベンチャー企業の情報を公開し、届けるべき人に届けられる仕組みを構築しています。

企業ブログという形をとっているのは、

  1. ベンチャー企業が発信する情報を信じてもらうためには、お金を払ってライターに書いてもらう求人広告ではなく、中の人(しかも複数人)が直接発信する、リアリティのある媒体であることが不可欠だから。
  2. 優秀な人材は必ずしも転職活動をしているわけではなく、彼らに存在を認識してもらうためには、転職サイトではなく検索エンジンを通じてアピールするのが効果的であり、それにはブログという仕組みが最適だから。
  3. ベンチャー企業への転職というリスクをとるには、従来の、面接という固い枠組みでは不十分で、もう少し緩やかなコミュニケーションの中で段階的に関係を構築できる仕組みが必要であり、ブログはそのコミュニケーション手法を提供しやすいから。

という3つの理由からです。

もしかしたら、企業ブログよりももっといい形があるかもしれません。そこは、今のサービスをベースにしつつ、転職者と導入企業の皆さんのご意見を真摯に聞いて、模索していきたいところです。

そして、今はいろいろな理由からIT系企業のエンジニア採用に限定していますが、いつか、業種も職種も広げていきたいものです。(いつになるカナ…)

この記事の執筆者

代表取締役 かさぎ 33歳 入社2年目

約10年前、新卒で入社した大手企業ではどうしても自分の居場所が見つけられず、「このままでは自分がだめになってしまう...

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